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映画『バイス』(Vice)



映画 『Vice』を鑑賞。

クリスチャン・ベールが20kgくらい体重を増やして役作りした主人公は、アメリカ史上もっとも力のあった副大統領(Vice President)と言われたディック・チェイニー。
彼の半生と、その当時の政治的背景を描くコメディー・タッチの政治風刺作品。


Movie Vice pamphlet
雑誌 TimeやLifeの表紙のようだが、これは映画のパンフレット。



アメリカ史上もっともパワーを持ったと言われているVice President ディック・チェイニーの半生を描いたものだが、それに加えて911テロとその後イラク攻撃を行い、アメリカが世界一のテロリスト国家となった経緯が政治の裏側として描かれ実に面白い。


若い頃のディック・チェイニーはアルコール問題でイエール大学を退学になったり、その後も飲酒運転で警察沙汰をおこしたりと、ダメ人間まっしぐらだったが、当時のガールフレンド(のちに妻となる)リンに叱咤激励されワシントンDCで政治オフィスでのインターンのポジションを得、それが彼の転機となった。なぜなら、彼は自分の才能が何かを見出したからで、人を操り、調整し、意のままに出来事を動かすという分野であった。


それからのチェイニーは、政界で地位を築いていった。顧問や首席補佐官を務めたのち、下院議員を6期つとめ、ジョージ H. W. ブッシュ(パパ・ブッシュ)のもと国防長官をつとめ湾岸戦争を主導した。
その後、一旦は政界から身を引き財界でハリバートンの経営に携わり巨万の富を得ている。


ジョージ W. ブッシュ(子ブッシュ aka Dubya)が大統領選に出馬することになったが、そのときに、子ブッシュから彼の Vice President(副大統領)になってほしいと頼まれる。チェイニーは副大統領を選ぶ手伝いをすると応えたものの、結局自分を推薦し、子ブッシュのランニング・メイトとなり、そして子ブッシュはゴア候補を下し「当選」し第43代米国大統領となった。
ほどなくして起こった同時多発テロ("911")では、実質的にはブッシュ大統領をさしおきチェイニーが危機対応にあたり、米国がイラク戦争を起こすよう誘導していく。イラクを徹底的に攻撃した結果がどうだったのかは言うまでもない。

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絵に描いたような悪徳(Vice)政治家となったチェイニーは、釣りや狩りが趣味というのも政治スタンスとぴったりシンクロする。副大統領(Vice President)として大統領を、そして米国を操っていたと思われるが、しかし、そのチェイニーを操っているフォースがあることを映画は示唆していた。それは、リン・チェイニー。頭脳明晰で有能で権力志向の強い彼女は自分が政治の表舞台に出ることなく代わりに夫を最強の政治家へと変貌させたようにみえる。

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Dubya(子ブッシュ)、ラムスフェルド、コンディー・ライス、コリン・パウエルなどが実に雰囲気そっくりに扮した俳優により演じられていたのは面白かった。子ブッシュのあっけらかんとした様子はまるで本人。ここらへんは、「Saturday Night Live」出身の監督アダム・マッケイらしさ。チェイニーも子ブッシュも生存中だというのに、これだけ暴いた(子ブッシュについては任期中から言われ続けた内容だが)内容を映画化したというのも興味深い。最後に「これはリベラルな視点だから」というディスカッション場面を挿入している。つまりリベラルな立場で見た風刺映画だというステートメント。ユーモアをたっぷり含んだ風刺たっぷりの政治エンターテインメント映画となっている。


エンドロールはフライフィッシングのルアーが次から次にと出てくるのだが、よく見ると、映画のテーマをアレンジしたものとなっていて非常に凝った作りで興味深いが、多くの観客が立って出て行ってしまったのには驚いた。


映画リビュー全文


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  1. 2019-04-14 19:00 |
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